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企画の素

映像作家 今井いおりのブログです。

奇跡の洲本オリオン上映


2013年に洲本オリオンは休館した。

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そのニュースを知った時、 
親父がカップラーメンの啜る音を館内に響かせながらスクリーンを見ている姿を思い出した。 
30年程前は映画館でカップラーメンが食べられたのだ。
 

休館は今から5年前の話だ。 
その時僕はテレビ番組を作りながら映画「ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~」というドキュメンタリー映画の制作に励んでいた。
 映画が完成し大阪のシアターセブンをはじめ日本各地で上映してた時に洲本オリオンの復活を知った。 

十三シアターセブンにて01
十三シアターセブン

岡山にて01
岡山奉還町

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宝塚映画祭


洲本オリオンで上映したいなぁ。

そんな想いを持ちながら上映と仕事に明け暮れる毎日に時間は過ぎていった。 

淡路島の南あわじ市福良では、
春祭りに40手前になった男が厄落として神輿を担ぐ。
 


私もその年齢になっていた。 

地元の友人から連絡があり
神輿を担いで欲しい、それと記録ビデオも作って欲しいと依頼が来た。 
神輿を担ぎながら撮影はできないので、撮影は「ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~」のプロデューサーの松本君が、編集は私がする事になった。 

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神輿の準備を撮影する松本プロデューサー

祭りが終わり編集しているところに福良の友人から連絡があった。
 「淡路島短編映画祭に出品できへんけ? 洲本オリオンでやるねんけど」

なんと洲本オリオンで淡路島短編映画祭が行われていたのだ‼︎ 

作品のタイトルを
「我ら島の祭人2017~福良男児の心意気~」
神輿を担ぐメンバーにより結成した正友巳午會の作品として出品。
 
洲本オリオンのスクリーンに神輿を担ぐ福良の友人達が映し出されたのだ。

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かつて親父と一緒に見ていた洲本オリオンで福良の友達と皆で観た。

その年の出品作品で「我ら島の祭人2017~福良男児の心意気~」は1番の人気投票を得た。

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今も平松食堂の店内に飾られている。


 そして、洲本オリオンの野口さんと、淡路島短編映画祭の近藤さんとも知り合いになり、昨年の映画祭から一年を経て、 
「ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~」 
「我ら島の祭人2017~福良男児の心意気~」が上映する運びに。 

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洲本オリオンのポスター展示

信じられない事が実現した。 
これは福良の友達、応援してくれている洲本オリオンの野田さんと淡路島短編映画祭の近藤さん、そして福良の春祭を撮影してくれた松本君、いつも励ましてくれる、淡路島と同じ大きさと形の琵琶湖を有する滋賀在住のアーティスト よしこストンペアさん、そして金木義男さんのおかげなのだ。

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正友巳午會 洲本オリオン前にて

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よしこストンペア(横浜 大倉山ドキュメンタリー映画祭にて)

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淡路島福良の町並みを撮影する松本プロデューサー

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金木さん 自宅前にて



 淡路島の皆さんには洲本オリオンで2作品を是非観てください。  
「ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~」100分 
「我ら島の祭人2017~福良男児の心意気~」20分 
 6月2日3日18時30分から 洲本オリオンにて上映‼︎

洲本オリオン
住所:〒656-0025
兵庫県洲本市本町5-4-8 
℡:0799-22-0265

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[ 2018/05/23 12:56 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

洲本オリオンでの思い出

淡路島唯一の映画館「洲本オリオン」

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僕が幼かった35年程前は2館あり洲本オリオンは洋画を上映する映画館だった。

映画を観たい僕は、スーパーのレジに置いてある映画の割引き券をもらって来てそっと家の玄関に置いておく。 

すると日曜日に父親が家から30分車を走らせ、洲本オリオンに連れて行ってくれた。

まぁ父親も映画が大好きなのだが。

洲本オリオンの近くには、自転車業を営む父方の祖父の店があり、
映画を観た後は、じいちゃんからお菓子とジュースが貰えるという子供にとっては至福の時間だった。 

さて、思春期になると話しが変わって来る。 

中学生になっても親父に映画館に連れてもらっていた。 

当時、淡路島のバス運賃は非常に高くバスの往復代と映画チケット代で5千円は超えたのだ。 
とても中学生に払える額ではない。

僕が中学3年生の時、洲本オリオンでジェラシックパークが上映された。
 
当時リアルに動く恐竜が話題になり一大ブームとなった作品だ。

 





当然、親父と見に行く事になった。

映画館の座席に座ると、前の列に同じ部活の5人程の女子達が座っていた。 

この時、親と一緒じゃなく自分達で映画館に来てるってカッコいいと思った。

映画が始まった。

迫力ある恐竜のリアルな動きに興奮した。 
そして、1番興奮していたのは親父だった。 

 スクリーンでは、主人公達が暴れ狂う恐竜から逃げている。

死にものぐるいで建物の屋根裏に逃げ、恐竜には届かない場所に隠れた主人公達は安堵を見せる、
その瞬間、真下から口を大きく広げた恐竜が主人公達を襲うのだ。

その時、ウチの親父は
「ギャー」と叫ぶ。

部活の女子達が一斉に後ろを向く。 
僕は下を向く。 

そこからジェラシックパークの内容は覚えていない。 
翌日の部活で軽く話題になる。 

思春期のハートはボロボロになったのである。 

それがあって父親には映画は一人で見ると宣言した・・・
ものの小遣いでは行けずにその後も親父と一緒に行く事になるのだ
・・・が席は隣ではなく親父とはだいぶ離れた所で見る事になった。

私にとって洲本オリオンは
チョイ親離れの場所であった。 

そんな思い出詰まった洲本オリオンで自分の映画「ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~」を上映していただくのだ。

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こんな嬉しい事はない。

是非とも来てください‼︎

そしてあなただけの思い出を洲本オリオンで作ってください!

6月2日(土)3日(日)
18時30分から
無料です‼︎

2017年に淡路島の南あわじ市の春祭りをドキュメンタリー映画にした
「我ら島の祭人2017~福良男児の心意気~」も同時上映‼︎

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大阪の哲学者の生き様と神輿を担ぐ男達の熱気を楽しんで下さい!
[ 2018/05/16 15:49 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

宝塚映画祭2015 

5月17日 日曜日 あれは、大阪都構想の是非が決まる日だった。

私は、滋賀県石部で行なわれた「雨山ですよ!ちょうどいい音楽会」で
よしこストンペアさんとタテタカコさんのライブを楽しんでいた。

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大阪市民なら覚えていると思うが、あの選挙は市民にとってかなりのストレスだった。
そのストレスを忘れさせてくれたのが、「雨山ですよ!ちょうどいい音楽会」だった。

ライブが終わり、イベントのボスである門田さんの畑で、ライブの打ち上げまで時間をつぶしていた。

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そんな時である、1人の女子から突然連絡があったのだ。

「宝塚映画祭のカワシマというものですけど・・・宝塚映画祭で『ろまんちっくろーど』を上映したいと思ってましてー」

幸福は突然やってくる。

私は、是非是非でと承諾 しかし次の言葉に私は頭が真っ白になった。

「上映料はおいくらでしょうか?」

「・・・・分かりません」

映画を作った本人が映画の上映料の値段を知らないのだ。

あなたは八百屋に行って、大根の値段を聞いて

「分かりません」と言われたことがあるだろうか? 私はない。しかし私はやってしまった。

『あかん、アホな監督と思われる』

とっさに、ビジュアルアーツ専門学校の同級生で映画「ソウルフラワートレイン」の西尾監督の言葉を思い出した。
彼には、ろまんちっくろーどを上映する際に色々とアドバイスをいただいていたのだ。
そのアドバイスの一つ

「今井君、新人とか無名、有名関係なしに、自分の映画を安売りしたらあかんで」

私は、大きく深呼吸してこう言った

「値段は・・・言い値でいいです。」

完全にアホは監督として認識された瞬間である。
しかも言い値は売り手からの値段である。
アホが2重3重にも重なる。

さすがに、宝塚映画祭のカワシマさんもうろたえてしまう有様。

私の目の前には、門田さんの作った美しい畑が広がっていた。

しかし、宝塚映画祭の上映が決まった瞬間でもあった。

そして、この日は、金木さんがタテタカコさんに無理やりキスをさせた記念すべき日でもある。

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夏のはじめに、宝塚映画祭のカワシマさんから連絡があった。

「今年の宝塚映画祭のトレイラーを作って欲しい」

監督の仕事としてのオファーだった。

監督としてのオファーは初めてなので嬉しい限り。

今年は谷崎潤一郎が亡くなって50年を迎えるという事で、それをテーマに谷崎潤一郎原作の映画が宝塚映画祭で数多く上映される。

実はこれまで谷崎潤一郎は一冊も読んだ事がなかったのだが、「春琴抄」がたまらなく面白かった。

春琴抄をモチーフに宝塚を舞台に短編映画を作る事になった。

さて、春琴抄をどうやって宝塚を舞台に物語にするか、さっぱり分からなかった。
分からない時は、歩くしかない。
時間を見つけては、宝塚に足を運んで散歩した。

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「春琴抄」で春琴が雲雀を飼っているくだりが出てくるので、雲雀丘花屋敷で雲雀を逃がす話にしようと、色々調べたら、雲雀はなんやかんやで保護されているので、入手が困難で、取り扱っている店を見つけたら秋田県だったり高価であったり、予算の事を考え、雲雀自体は諦めて、せめて声だけでも録音しようと南港の野鳥園に行き、やぶ蚊にかまれて、カラスの声だけ収録して帰ってきて、その夜に雲雀は春の鳥という事を知るなど、まぁまぬけな事をしていた。

という訳で歩いた歩いた。
「脚本」は「脚」「本」とあるとおり、脚を使えば物語ができると信じて宝塚を歩いた。

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そして、清荒神駅前でコロッケ屋の北川精肉店に出会う事になる。
清荒神駅前は完全に寂れた所なのだが、そのコロッケ屋だけ光輝いていた。
一口食べると唸る美味しさだった。

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※コロッケはあっという間に売り切れてしまうので閉店中

私の頭で、スーッと一つの物語が誕生した。

脚本が書けた。
キャスティングでは、佐助役に大江監督の「適切な距離」を見て、ずっと一緒にやりたかった時光陸君と春琴役には背が小さく、お嬢さんで、美人ということで「拳銃と目玉焼」の沙倉ゆうのちゃんにそして撮影には「拳銃と目玉焼」の安田監督に、音声はろまんちっくろーどのプロデューサー松本君。

撮影は本当に楽しかった。

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清荒神での撮影
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今回、安田さんに撮影を頼むことで、撮影スケジュールを安田シフトで組んだ。
というのも、安田さんは美しい映像を確実に撮ってくれるのだが、いいものを作ろうとすると
どうしても時間がかかる。
なので、「1時間に2カット以下」
これなら安田さんも満足な映像が撮れると、私は自分の心遣いを誇っていた。

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しかし後日、安田さんの映画「ごはん」を手伝いに行くと、安田さんは4時間で1カットという撮影を平気でしていた。
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※映画「ごはん」撮影風景

お芝居では、時光君もゆうのちゃんも「春琴抄」の原作までちゃんと読み込んで演じてくれた。
宝塚映画祭のカワシマさん筆頭に皆さん、献身的に動いていただいた。

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最高に幸せな時間でした。

そして完成した宝塚映画祭2015 トレイラー



撮影の事となるともっと語りたいので、それは11月22日の宝塚映画祭での「ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~」の上映後に今回のトレイラー制作の事をお話させていただきたいと思います。
そして、金木さんには、金木さんが映写技師をしていた時の爆笑失敗談。
最後によしこストンペアさんのライブを楽しんでいただきたいと思っています。

なんの因果か、ろまんちっくろーどの上映のオファーが来た時が大阪都構想の選挙の日で
宝塚映画祭でのろまんちっくろーどの上映が、選挙の日。

選挙で疲れた皆様、投票後は是非宝塚映画祭で映画を楽しんで、清荒神駅前の北川精肉店のコロッケを味わってください!

宝塚映画祭2015 11月21日~27日

ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~
11月22日 18:35~ 上映後トーク&ライブ
11月27日 16:45
[ 2015/11/19 20:11 ] 日記 | TB(0) | CM(2)

コラアゲンはいごうまんさんの事

今年の2月頃だったと思います。
シアターセブンさんから
『5月10日に「ろまんちっくろーど」の上映と「コラアゲンはいごうまん」さんのトークショーをしませんか?』
とお話を頂いた時、嬉しくてたまりませんでした。

もうだいぶ前の話です、まだYouTubeが今みたいに広がって無かった頃の話です。

たまたまワハハ本舗のホームページを見ていた時に、コラアゲンさんがネタをしている動画を見つけました。

コラアゲンさんのネタは、実際に取材、体験して、それを舞台で笑いにするスタイルで、こんなにしんどい思いしてネタを作っている芸人さんを見たことがありませんでしたし、自ら取材しているので、リアリティがあり面白く、なりより言葉に体重がのっていました。
僕はその日からコラアゲンさんのファンになっていました。


当時1番好きだったネタ

ある日、芸人を目指している友人A君から、ネタを見て欲しいと頼まれたので見たのですが、面白くありませんでした。
僕は彼の事が好きなので何かアドバイスをしてあげたいと話したのが、コラアゲンさんのネタの作り方でした。
A君は真っ直ぐな性格なのでコラアゲンさんのネタの作り方が合っていると思ったのです。
A君は当然お金も無かったので取材に掛かったお金は僕が払うとも言いました。
僕もお金は無かったのによくあんな事を言ったものだと今でも思います。
それだけコラアゲンさんのネタの作り方を信用していたからだと思います。
もう5年以上前の話だと思います。

その後、コラアゲンさんが、「人志松本のすべらない話」に出演した時は本当に嬉しかったです。
ラジオで応援していたミュージシャンの曲がヒットする感じ、わかるでしょ?

芸人コラアゲンはいごうまんさんは僕の中で大きな存在でした。
そして先日、東京下北沢の上映でお会いした時、神様はいるのだなと思いました。

上映後、コラアゲンさんは、熱心に金木さんの話を聞いていました。

何故か金木さんは女性の口説き方をコラアゲンさんに伝授していました。
その時のコラアゲンさんのエロい顔
そして金木さんの満を持して放った一言
「欲しいねんって言うたらええねん」に唖然としてた顔、一生忘れません。

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東京を離れた後も電話で、コラアゲンさんに撮影でのエピソードを何度も取材していただいています。

5月10日にはコラアゲンさんの話術で、ろまんちっくろーどの魅力を語って頂けるのではと思います。

昨年の十三シアターセブンでの上映から、京都、滋賀、岡山、横浜、神戸、東京を経てのシアターセブンでの上映は僕にとって大きなイベントです。

5月10日 シアターセブンに遊びに来ていただければと思います。

上映前にはコラアゲンさんの単独ライブが13時会場で行われます。
このライブが楽しみでしかたがありません。

少し間を置いて18時から「ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~」を上映します。
上映後、コラアゲンはいこうまんさんと、金木さん、監督の今井と映画音楽を担当したよしこストンペアのイシダストンさんとのスペシャルトーク

最後によしこストンペアさんによるライブを行ないます。

映画を見た方も、見てない方も楽しめるイベントとなっておりますので是非おこしください。

チケット予約はこちらから 

コラアゲンはいごうまんさんの単独ライブ
http://www.theater-seven.com/2015/b1_150510.html

帰ってきた!!「ろまんちっくろーど ~金木義男の優雅な人生~」上映&トーク&ライブ!
http://www.theater-seven.com/2015/b1_150510-2.html

※2つのイベントは別々です。チケット2個購入で200円キャッシュバックでございます。

帰ってきたろまんちっくろーど×コラアゲンさん
[ 2015/05/01 18:20 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

大倉山ドキュメンタリー映画祭

3月28日(土)
大倉山ドキュメンタリー映画祭に行ってきました。

この映画祭で「ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~」も上映していただいたのだ。

早朝6時に大阪で金木さんと待ち合わせて新幹線に乗り、横浜へ。
新幹線に乗る前に僕は金木さんに
「僕は徹夜で寝ていないから寝るからね!」
と念を押していた。

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前日、僕は、仕事で2日後に上映される障がい者とアメリカのミュージカルグループの交流を描いたドキュメンタリー作品を徹夜で仕上げた。

そして、納品・修正対応などは、ろまんちっくろーどプロデューサーの松本君に任せていた。

しかし金木さんは子供のように無邪気に喋り、車窓から富士山が見えると他の乗客を巻き込んで写真を撮らせていた。

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おかげで一睡もできずに横浜へ。

大倉山に着くと、上り坂があり金木さんに
「登ります?」と
「あたりまえや」と金木さん

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この坂はかなり急で、大倉山ドキュメンタリー映画祭運営の遠藤さんに
タクシーで登ってくださいねと忠告をいただいていたのだが、その必要は金木さんには無かった。

軽快な足取りで急な坂を登る金木さんを見て、この爺さんは本当に78歳なんだろうかと思う。
皮膚だけお爺ちゃんで中身は30代だ。

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大倉山記念館への山道はちょうど桜が満開で美しかった。

大倉山記念館に着き、映画祭スタッフの遠藤さんがいろいろ世話をしてくれて有難かった。

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金木さんは早速、シアターセブンで使った幟を持って大倉山駅周辺で映画の宣伝。

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僕は「60万回のトライ」を鑑賞。

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同じ大阪を舞台にした作品。
大阪朝高ラグビー部達を追いかけた青春ドキュメンタリー映画だ。
映画を見るまでには知らなかった大阪朝高ラグビー部をラストの試合のシーンでは出に汗を握り応援している僕がいた。
グッと胸に迫るものがあった。

上映後、よしこストンペアの石田ストンさんと、小川賀子さんが到着。

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ろまんちっくろーど上映後には毎回よしこストンペアさんに演奏していただいている。

毎回ライブがはじまると、会場の様子をサラリと歌っているのだが、楽屋には今回の大倉山の歌詞とギターのコードが書かれたノートがあったので思わず
「あれ、即興じゃなかったんですね」と言ってしまった。

毎回、準備をしていただいていた事を知り頭が下がるばかりである。

二人は慌ただしく演奏の準備をしていた。

一方、金木さんは、大倉山記念館で絵を描いている婦人をおちょくっていた。

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その後、29日に上映する「孤独の輪廻」の三浦監督とお話しさせていただいた。

三浦さんによると「孤独の輪廻」が海外の映画祭で上映された時に、日本作品として、黒木和雄監督や原一男監督がいたとの事で、そこで大倉山ドキュメンタリー映画祭の主催、いせフィルム、伊勢監督とお会いしたとの事。

私も、三浦監督に原一男監督の「ゆきゆきて神軍」を、ろまんちっくろーどの編集中に見てしまい、あまりのショックに編集が出来なくなった事を話すと、横で聞いていた金木さんが「原一男がなんぼのもんじゃい!俺は勝てる」と言い出し、その後、金木哲学を語り始め、三浦監督を困惑させていた。

三浦監督が去ると、金木さんは僕に「あの人教養あるね」と耳元でつぶやいた。

金木さんは、話を最後まで聞いてくれた人を評価する。

その後、岡山上映、東京の上映を企画した安福さんが下北沢上映のチラシを持ってやってきた。

安福さんは、前衛的なファッションをしていた。

そして、伊勢監督に挨拶。
伊勢監督は渋い声で、「あとで、ゆっくり話そう」といいガッツリ握手してもらった。

バタバタしていたら、松本プロデューサーから連絡がきた。頼んでおいた障がい者とアメリカのミュージカルグループのドキュメンタリー作品をクライアントが喜び、修正なしの一発OKという報告。

ほっとした、そしてこの場に松本プロデューサーを呼べなかった事を申し訳なく思った。

そして、ろまんちっくろーど上映。
僕は迂闊にも寝てしまった。
まさか徹夜の疲れのピークが自分の作品の時に来てしまうとは。
目を覚ますと、スクリーンには金木さんのどアップ。
まあまあ焦った。

後半は横浜の皆さんもよく笑っていただいてほっとした。
ラストのシーンでは、自分の映画で、はじめて泣きそうになった。
賀子さんの歌声は涙腺を刺激する。

上映後は金木さんと私のトークを短く済まし、よしこストンペアさんのライブ。
映画の空気をそのままに会場が暖かくなった。
その後も伊勢監督の配慮でよしこストンペアさんのライブを別室で行い、春の光の中で二人の演奏を楽しむことが出来た。

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金木さんも横浜のマダムに囲まれて、上機嫌で本を販売していた。

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その日の最後のイベントは、60万回のトライの朴思柔監督、朴敦史監督、僕と、伊勢監督。

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印象的だったのは、伊勢監督の「ドキュメンタリーは、カメラワークとか画の構成とか、編集のセンスとか色々ありますが、撮る人が撮る対象をどれだけ好きになるか」というお話し。

全くの同感で、それは60万回のトライにも感じたし、昨年末に見た、監督はおそらくアマチュアだと思うがスーパーローカルヒーローにも感じた。

こんな事を思い出した。

20代の頃、僕が中島らもの本に中に書かれていた「ローリングストーンズは演奏が下手」という箇所を読んで、音楽をやっていた友人に「ローリングストーンズって演奏下手なん?」と聞いたら、「上手いよ、だって自分らの想いめっちゃ伝えてるやん」といわれて愕然とした事を。

イベントも無事に終わり伊勢監督から飲みに行こう!とお誘いを受け、皆さんと打ち上げへ。

金木さんは、東京に遊びに行くと言って出掛けてしまった。

打ち上げでは、伊勢監督からドキュメンタリーをフィルムで撮っていた話や、僕が伊勢監督のコラムを読んで映画作りで救われた話など出来て幸せだった。

何故か伊勢監督にペラペラ喋ってしまった。
これがドキュメンタリーを何十年も撮って来た監督の魔力かと思った。

伊勢監督の「撮りたいから撮るんだよ」の言葉が印象的でした。

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味わったことのない春の夜だった。

一方、金木さんはその頃、東京で選挙演説のスタッフに議論をふっかけひと悶着したらしい。

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翌日、29日。

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この日は、大倉山ドキュメンタリー映画祭で上映される作品を楽しむことに。

堀田泰寛監督の「日曜日の子供」たちを見る。
東京の工業地帯付近で遊ぶ日曜日の子ども達を延々と撮り続けた作品。
何も起こらないのだ。
釣りや散歩など和やかな海岸で遊ぶ子ども達の映像が延々と続く。
本当に何も起こらない中、子供が突然どこから持ってきたのか鶏と遊ぶ様子や大きな魚を釣って魚を抱えている子供達の映像がとても輝いていた。
そして、その何も起こらない映像の背景から、監督のメッセージが浮かび上がってくる。

どこか川島雄三監督の「青べか物語」にある反骨精神が全編に漂っている感じを受けた。

今井友樹監督の「鳥の道を越えて」
同じ名前、同世代の監督だ。
諸事情で監督が会場に来れないので、監督からのビデオメッセージを見る。
さわやかな方だ。

作品は、監督の地元、岐阜県で行なわれていたカスミ網猟を取材したもの。
誠実に、丁寧にとられた作品。
こんなに山を美しく撮った作品を見たことが無い。

残念ながら、伊勢監督の「妻の病」・三浦監督の「孤独の輪廻」は見れずに横浜を後に。

後日、大阪十三シアターセブンで、伊勢監督の「妻の病」を見る。

名作だった。
ラストでは涙が溢れ、嗚咽が止まらなかった。
横浜で無理にでも時間を作り、「妻の病」を見て、伊勢監督に感想を告げたかったと後悔する程、素晴らしい作品だった。

こんなにも人は美しく人を愛せるのかと思った。

シアターセブンを後にして、事務所に戻ると松本プロデューサーが慌しく、仕事をしている。
松本プロデューサーは、映像制作会社を立ち上げてそれから、ずっと忙しく働いている。

僕はその会社の一部を間借りさせてもらっているのだ。

松本プロデューサーの故郷は名古屋だ。

僕は忙しそうな松本君を見て、名古屋でも上映したいなぁと思った。

金木さんに電話したら、4日間東京を満喫したそうで、小説にすると興奮していた。

そして、これから上映する神戸・元町映画館での宣伝で元町商店街を歩き回るとはしゃいでいる。

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よしこストンペアさんがニューアルバムを発表した。

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新緑が新しい季節を告げている。
これからまだまだ、ワクワク楽しい事が始まる。

[ 2015/04/09 13:35 ] 日記 | TB(0) | CM(0)
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